2012年5月17日

バルト3国&ウズベキスタンその7(列車の運行状況)

バルト3国での列車の運行状況をお客様に頂戴しました。
ご参考までに文責弊社にて掲載いたします。
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<各共和国の貨物列車>
バルト3国に共通するのは、ロシアー西欧間の輸出入物資の運搬が主要
任務で、貨物通過料が3国国鉄(エストニア国鉄は、「国電区間会社」
「気動車運転会社」「国際鉄道(GO-RAIL)会社」「貨物会社」
「線路保有機構」に分割)の重要収入源。
ただし、トラック輸送との競合が、悩みの種とのことです。
1、エストニア
(物流状況)  
タリン・バルティスキ港経由の物資および、エストニア領内産出の
オイルシェール頁岩の対露輸出
(運行経路・運行概数)
タリン港からサンクトペテルブルグが殆ど。オイルシェールは一部
ウラル地方まで。
タリンーナルバ(国境)-ペテルブルグ間(単線)に、1~3本/時の
高頻度運転。よってタリンーペテルブルグ間、客車列車廃止の誘因の
一つでもあります。
2、ラトビア
(物流状況)  
リガ港経由の物資および、1990年代に自由貿易港となった西部
ベンツピルス港、リエパヤ港(日露戦争時、バルチック艦隊が体勢
を整え、出航したリバウ港)からの対露物資輸送が中心。
(運行経路・運行概数)
いずれもリガを経由してモスクワ方面へ。
リガ-モスクワ間(複線)に、1~2本/時の運転。
3.リトアニア
(物流状況)  
主要港は、クライペダのみで、ソ連時代は「軍港」「漁業基地港」
としての機能が中心で、当該港経由の物資輸送は、主にリトアニア
国内需要を中心とし、対露輸出入の機能は殆どありません。
なぜなら、すぐ南の「カリーニングラード・ロシア連邦飛び地」が
その役割を担っておるためです。
よって「カリーニングラード・ロシア連邦飛び地」から、ロシア行き
の貨物列車の「リトアニア領内・通過料」が、リトアニア国鉄にとり、
かなりの収入源です。
(運行経路・運行概数)
物流は、フェリー到着のトラック中心で、貨物列車は僅少です。
(ソ連時代は、軍用貨物列車が頻繁運転。)
客車列車が、ビリュニュスとの間に3往復+臨時列車です。
<バルト3国間を結ぶ列車について>
まず、ソ連時代には、タリンーリガービリニュスーカリーニングラード
の直通寝台列車がありましたが、ソ連崩壊後、3国とも鉄道の衰退は、
目に余るほどの状況で、当該寝台列車は、今はありません。
理由としては、
A、各共和国は九州くらいの面積のため、自動車移動の優先度が高くなった。
B、ロシアとの人的交流が殆どなくなり,長距離客車列車の激減がある。
<臨時列車の運行>
ロシア国内募集の「団体観光列車」が夏季、冬季に運転されております。
人気は、エストニアが一番で、平素のロシア・エストニアの疎遠があり
その分、リトアニア、ラトビアより臨時列車は多いようです。
(臨時列車・運行状態)
ロシア機(TEP70又はM62+ロシア国鉄客車(最近はロシア国鉄
ロゴマークの新塗装客車)のまま乗り入れてきます。
ラトビアはロシアとの列車本数も、充足しており、臨時列車の設定はりません。